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仙台城(宮城県仙台市)


2023年1月23日  , 宮城県

【城感動度】
★★★★★
★★★★★43

城保存度
★★★★★
★★★★★20
明治以降の取り壊しと空襲によって建築物はほぼ失われていますが、巨大な本丸北壁石垣は現在もそのまま残されています。
城の規模
★★★★★
★★★★★80
仙台城は約2万坪もあり、大藩にふさわしい大規模なものとなっています。
観光魅力度
★★★★★
★★★★★30
人気の伊達政宗に関連する周辺の遺構、瑞鳳殿や大崎八幡宮と合わせて観光を楽しめます。

1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いの後、伊達政宗は徳川家康の許しを得て千代(せんだい)を居城にし、地名を仙臺(仙台)と改め青葉山に仙台城を築城しました。
二代藩主伊達忠宗の代に完成した仙台城は約2万坪もあり、大藩にふさわしい大規模なものでした。仙台城はその後明治維新まで約270年に渡り伊達氏代々の居城であり続けました。
明治以降は陸軍用地となり、多くの建造物が取り壊されました。その中でも残った大手門、脇櫓、巽門は国宝に指定されていましたが、1945年(昭和20年)の仙台空襲によって焼失しました。
焼け残った大手門の土塀の一部は仙台城内に現存する唯一の建築物となっています。また、脇櫓は1967年(昭和42年)に再建されました。


目次

仙台城跡


大手門跡と脇櫓


大手門跡
大手門跡
焼失前の大手門は二階建・瓦葺の豪壮な建物で、側面の梁間が約6.8m、高さが約12.5mもある全国的にも最大級の城門でした。1931年(昭和6年)に大手門は脇櫓とともに国宝に指定されましたが、1945年(昭和20年)の仙台空襲によって焼失しました。この時に焼け残った大手門の土塀は現在も保存され、仙台城内に現存する唯一の建築物となっています。

焼け残り現存する大手門の土塀(写真手前)と再建された脇櫓(写真奥)
焼け残り現存する大手門の土塀(写真手前)と再建された脇櫓(写真奥)

脇櫓
脇櫓
大手門とともに国宝に指定されていましたが、仙台空襲によって焼失しました。現在の脇櫓は1967年(昭和42年)に再建されたものです。

仙台城大広間跡


仙台城大広間跡
仙台城大広間跡
2001年(平成13年)から8年ほどかけて行われた発掘調査によって、大広間の礎石、御成門跡などが発見されました。この藩主とその家臣が対面する場所であった大広間は約430畳にも及ぶ広さで1610(慶長15年)に完成しました。

大広間上段の間再現
大広間上段の間再現
大広間の中でも上段の間は藩主御成の間で桃山期狩野派による濃絵(だみえ)「鳳凰図」が飾られました。1690年(慶長14年)造営の瑞巌寺本堂などを参考にして再現されています。上段の間のほかにも、天皇や将軍を迎える際に使用される「上々段の間」も存在していました。

本丸北壁石垣


本丸北壁石垣
本丸北壁石垣は、1997年〜2004年にかけての石垣解体修復工事に伴う発掘調査によって、築城後大規模な改修が2度行われ、3時期の石垣が重複していることがわかりました。1646年(正保3年)と1668年(寛文8年)の2度の地震を経て築き直された三期の切石積みの石垣は、その後の度重なる地震にも耐え、現在に至るまで300年以上も持ちこたえています。

本丸北壁石垣

清水門跡


清水門跡
清水門跡
清水門は三の丸から沢門に至る登城路の途中に設けられていました。1645年(正保2年)の城絵図によると入母屋造屋根、二階建ての二重門であったようです。この門の近くに仙台藩の御用酒づくりに利用された湧水があったことから「清水門」と名付けられました。

巽門跡


巽門跡
巽門跡
巽門は明治維新後も取り壊されることなく、大手門や櫓門とともに1945年の仙台空襲まで残っていた数少ない建造物のひとつです。1984年(昭和59年)に実施された発掘調査の際に、礎石14個や雨落溝などが発見され、翌年門跡が復元されました。

仙台城周辺の見どころ


大崎八幡宮


大崎八幡宮
大崎八幡宮は伊達政宗によって造営され1607年(慶長12年)に完成しました。社殿は権現造*(ごんげんづくり)と呼ばれる形式で建築されています。安土桃山時代の現存最古の権現造で、豪華な桃山様式の世界が広がっています。この社殿は1903年(明治36年)に国宝に指定されました。

*権現造(ごんげんづくり)は、日本の神社建築様式の1つで石の間造(いしのまづくり)とも呼ばれています。本殿と拝殿の間を「石の間」と呼ばれる幣殿(へいでん)で繋ぐ建築様式で、平安時代に始まり江戸時代に流行しました。

大崎八幡宮

神輿
この神輿は江戸中期に制作されたもので、六角形の鳳輦(ほうれん・屋根に鳳凰の飾りがある天皇の正式な乗り物)型をしています。

瑞鳳殿


「瑞鳳殿」は仙台藩初代藩主の伊達政宗の霊廟廟として1637(寛永14年)に創建されました。瑞鳳殿は、本殿、拝殿、唐門、御供所、涅槃門からなり、何れも桃山文化の影響を色濃く残しています。瑞鳳殿は1931年(昭和6年)に国宝に指定されましたが、1945年(昭和20年)の仙台空襲によって焼失しました。その後1979年(昭和54年)に再建され人気の観光地となっています。
瑞鳳殿についてはこちらをご覧ください。


瑞鳳殿(宮城県仙台市)

アクセス


【電車でのアクセス】
地下鉄東西線「国際センター駅」下車。本丸までは、徒歩約20分。
【るーぷる仙台】
JR仙台駅西口バスプール16番乗り場より、観光シティループバス「るーぷる仙台」で約26分。臨時停留所「仙台城跡」(青葉城本丸会館駐車場内)下車。
「るーぷる仙台」のウェブサイトでご確認ください。
【車でのアクセス】
東北自動車道 宮城ICから約20分 
仙台駅前から約20分
【駐車場】
下の地図のポイントの場所に有料駐車場(青葉城有料駐車場)があります。
普通車500円(最初の1時間迄)/200円(その後30分毎)
詳細は青葉城本丸会館のウェブサイトでご確認ください。



訪問日:2022年9月




最後まで見ていただきありがとうございます。
ご感想や、仙台城跡や大崎八幡宮などについての思い出、これから出かけられる方に役立つ情報等ございましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。




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