古旅 日本の古い町並み

湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)


2025年6月12日  古い町並み , 重要伝統的建造物群保存地区 , 和歌山県

【町並み感動度】
★★★★★
★★★★★88

町並み保存度
★★★★★
★★★★★85
醤油の香りが漂う町並み保存地区には醤油蔵や古い町家がぎっしりと建ち並んでいます。
町並みの規模
★★★★★
★★★★★90
町並み保存地区だけでなく旧市街地全体に様々な時代のレトロな町並みが広がっています。
観光魅力度
★★★★★
★★★★★90
保存地区の町並みは素晴らしく資料館もたくさんあり、多くは無料で公開されていて楽しめます。旧市街地全体が古い町並みで散策を楽しめる町です。

湯浅は、古くから熊野詣の途中に上皇や貴族が滞在する宿所でした。中世に熊野信仰が一般に広まると、「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど多くの人々が行き交うようになり、室町時代後半には熊野街道の宿場町として発展しました。

江戸時代には、湯浅は漁業や漁網づくりで栄え、藩内でも有数の商工業の町となります。なかでも有名なのが、鎌倉時代に伝わった金山寺味噌の製法から生まれた「湯浅醤油」です。藩の保護もあり、最盛期の文化年間(1804〜1818)には90軒以上の醤油蔵があったといわれています。

明治維新後、藩の保護を解かれたことによって醤油蔵が減りましたが、湯浅は引き続き有田郡の中心として発展しました。近代化が旧市街地の周辺で進められたことで、現在においても古い町並みが良好に残されています。
湯浅の町並みは、その歴史的価値が高く評価され、2006年(平成18年)、全国で初めて「醤油の醸造町」として重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。


目次

醤油の醸造町・湯浅の町並み


湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)
湯浅は、金山寺味噌の製法から生まれた醤油造りによって「醤油醸造発祥の地」として知られ、江戸時代には紀州藩を代表する商工業の町として栄えました。当時は町内に38もの醤油醸造家がいたと伝えられています。

湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)
明治時代に入ると、時代の流れとともに醤油づくりは一時衰退しましたが、現在も老舗の蔵元たちが、伝統の味と技を大切に守り続けています。

湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)
16世紀末に開かれた「北町・鍛冶町・中町・濱町」の4つの町を中心に、湯浅の中心市街地が形成されました。現在も当時のままの地割が残されています。

湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)

湯浅の有力な醸造家であった津浦家(内伝)


津浦家(内伝)
津浦家は、1811年(文化8年)に醤油製造業を始め、「内伝(うちでん)」の屋号で知られていました。1878年(明治11年)の建築の主屋、大正期の座敷棟、昭和初期の土蔵等、時代を越えた建築の変遷を感じることができます。現在は、手作りの行灯や、醸造に欠かせない麹文化に関する資料を展示する資料館として一般公開されています。

天保12年創業の老舗醤油蔵、角長


角長(かどちょう)
天保12年(1841年)創業の老舗醤油蔵。慶応2年(1866年)に建てられた「職人蔵」や「醤油資料館」では、昔の醤油造りに使われた道具や貴重な資料が展示されており、湯浅の醤油文化を学ぶことができます。

湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)

醤油づくりの歴史を今に伝える旧栖原家(フジイチ)


醤油づくりの歴史を今に伝える旧栖原家(フジイチ)|湯浅の町並み
旧栖原家住宅は、かつて「フジイチ」の屋号で醤油を醸造していた歴史ある建物です。1874年(明治7年)、湯浅の有力な醸造家・山形屋久保瀬七によって建てられました。現在は資料館として無料で内部が公開されています。

醤油づくりの歴史を今に伝える旧栖原家(フジイチ)
建物の背後には麹室や仕込蔵が並び、瓶詰め作業を行う「ツメバ」と呼ばれるスペースが主屋の中に設けられるなど、作業効率に優れた造りが特徴でした。

江戸から昭和まで営業した銭湯、甚風呂


甚風呂(じんぶろ)
江戸時代から昭和の終わりまで営業していた銭湯で、往時の生活様式を伝える資料館として無料で公開されています。

甚風呂・湯浅の町並み

古くから熊野詣の宿場でもあった湯浅


湯浅の町並み
「きみゐでら(紀三井寺)」「すぐ熊野道」と書かれた道標。湯浅は熊野古道の宿場でもありました。

湯浅の町並み
湯浅を歩けば、時代ごとに異なる懐かしい風景に出会い、何度訪れても新たな発見があり飽きることがありません。

アクセス


【電車でのアクセス】
JR湯浅駅から重伝建のエリアまで徒歩約10分です。
JR湯浅駅からの道中にも趣のあるレトロな町並みが広がっています。
【車でのアクセス】
下の地図の場所に大きな無料駐車場(湯浅町観光用駐車場)があります。



訪問日:2025年5月




最後まで見ていただきありがとうございます。
ご感想や、湯浅の町並みについての思い出、これから出かけられる方に役立つ情報等ございましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。


コメント
裕人 2025/06/14 23:56
祖父が箕島でしたので、湯浅のことはよく聞いていました。町中が醤油の醸造しているにおいがしてよかったです。
看板も味わい深くて、昭和を知ることができますよね。道標なんかは、非常にざっくりとしていますが、あまり見かけないので新鮮だと感じました。全国的に見ても醤油で成り立った街並みがあり残っているので、このまま残ってほしいですね。

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なおきち(古旅管理人)
2025/06/15 05:12
WEB
裕人さん、コメントありがとうございます。湯浅は地元といってもいいくらい近く、散策のたびに新たな発見があって、何度も足を運んでいる大好きな町です。あまりにも行き過ぎて逆にきちんと写真をまとめる機会がなくて、ここへの掲載が遅くなってしまいました。
重伝建エリアは熱心に保存活動がなされていてあまり心配していませんが、周囲の町並みは少しずつ昔の雰囲気が薄れてきているように感じていて、それが少し寂しいところです。
湯浅のような町はほかにあまりないように思いますので、これからもずっと残ってほしいですね。



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