古旅 日本の古い町並み

鞆の浦の町並み(広島県福山市)


2023年6月8日  古い町並み , 重要伝統的建造物群保存地区 , 広島県

【町並み感動度】
★★★★★
★★★★★85

町並み保存度
★★★★★
★★★★★75
鞆の港を中心に昔ながらの町並みや由緒ある古刹や旧跡が数多く残されています。
町並みの規模
★★★★★
★★★★★95
鞆の港を中心とした町並みの中心部を外れても、レトロな町並みは点在しており、寺町筋などを含めると大変広範囲にわたります。
観光魅力度
★★★★★
★★★★★85
風光明媚な町並みは素晴らしくお土産店やカフェなどもあり誰もが楽しめる場所です。

瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦は、このあたりで潮の流れが代わることから、古来より潮待ち風待ちの港として栄えてきました。
少なくとも平安時代にはすでにこの地に港があったことが、発掘調査により確認されています。
輸送の要所であった瀬戸内海を往来する船は必ずと言っていいほど鞆に寄港し潮目が変わるを待ったと言われています。
江戸時代には鞆の浦は港を中心とする商業、漁業、鍛冶、保命酒等の酒造業などの産業で栄え、戦前まで港町としての繁栄が続きました。

現在も町内には由緒ある古刹や旧跡、昔ながらの町並みが多く残されており、網の目のように張り巡らされた路地を歩くと往時の面影を随所に見ることができます。
2017年には「福山市鞆町伝統的建造物群保存地区」として重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。


目次

鞆の港


鞆の港
干満の差が大きい瀬戸内海の港では、雁木(がんぎ)と呼ばれる階段状の船着場がよく造られてきました。鞆の港で見られる雁木は、1811年(文化8年)に福山藩によって築造されたもので、大規模な雁木が現存するのはここだけになっています。

常夜灯
常夜灯
鞆の港のシンボルになっているこの常夜灯は、1859年(安政6年)にこの地域の人々によって寄進された燈台で、燈籠塔(とうろどう)と呼ばれて親しまれてきました。高さ5m以上ある石造りの常夜灯は、現存する江戸時代の常夜灯で日本最大級のものです。

鞆の浦の町並み


岡本家長屋門
岡本家長屋門
この建物はかつて福山城内にあった長屋門で、1873年(明治6年)の廃城後ここに移設されました。門扉や門構えに城内の長屋門の形式をよく残していることから江戸時代初期の福山城の遺構として貴重なものとなっています。

鞆の浦
鞆の浦の町中に一歩足を踏み入れると由緒ある古刹や昔ながらの町並みが多く残されています。

鞆の浦の町並み
網の目のように路地が張り巡らされています。

澤村船具店
澤村船具店
元禄年間創業の300年の歴史を持つ船具の専門店です。鮮やかなベンガラの格子と戸が印象的です。

太田家住宅(写真左側)
太田家住宅(写真左側)
太田家住宅は江戸時代中期から後期にかけて、「旧保命酒屋」中村家が拡張・増築していったもので造り酒屋の構えをよく残しています。明治に入ってこの建物は廻船業を営んでいた太田家に継承されて今日に至っています。

保命酒
保命酒
保命酒は、広島県福山市・鞆の浦(とものうら)特産の薬味酒で、現在も4件の保命酒屋が営業を続けています。

胡屋
胡屋
大正時代の酒屋の建物で、現在はカフェとして利用されています。

出格子窓のある民家


鞆の津の商家
鞆の津の商家
鞆の浦の家屋の特徴のひとつに出格子窓があります。格子を前に突き出す形になっています。

出格子窓 鞆の浦


寺町筋 〜19の寺院と数十の神社が点在する鞆の浦〜


寺町筋
鞆の浦には19の寺院と数十の神社が点在しており、小さな範囲に非常に多くの寺社が密集しており神社仏閣巡りも楽しむことができます。寺町筋は江戸時代の初期に鞆城を築いた福島正則が、城下町整備の一環として造営しました。

ささやき橋
ささやき橋
応神天皇(390〜431年在位)の頃、百済からの渡来人の接待役であった武内臣和多利(たけのうちのおみわたり)と官妓(官にかかえられた芸妓)であった江の浦は恋に落ち、役目を忘れてこの橋で夜毎恋を語りあいました。しかし、このことが上官の知るところとなり、もはや抱き合えぬようにと後ろ手に縛られて、ふたりは海に沈められていまった…という伝説があり、密語(ささやき)の橋として語り継がれています。

山中鹿之助首塚
山中鹿之助首塚
山中鹿之助は、戦後時代の終わりに毛利氏に滅ぼされた尼子氏の家臣、尼子十勇士の1人です。1578年(天正六年)、尼子勝久、氏久兄弟は切腹し、山中鹿之助は囚われの身となり、護送中に殺害されました。毛利輝元が備中松山城で首実検をした後、鹿之助の首は鞆城へ送られ当時の将軍・足利義昭も首実検したと伝えられています。その後、鹿之助の首は、この首塚の近くに埋葬されたと伝えられています。

アクセス


【電車でのアクセス】
JR福山駅南口の福山駅前バス乗り場から「鞆鉄バス」で約30分です。
5番のりば「鞆の浦」行きか「鞆港」行きのどちらかに乗車し、「鞆の浦」か「鞆港」下車すると鞆の浦の町並みに到着します。
詳しくは鞆鉄バスのウェブサイトでご確認ください。

【車でのアクセス】
下の地図の場所の有料駐車場(鞆の浦第一駐車場)が便利です。
8時00分〜17時00分/30分毎100円

鞆の浦周辺の公営駐車場は複数あります。
広島県のウェブサイト(鞆の浦周辺 公営駐車場情報ページ)では各駐車場の料金と空き状況も案内されています。ご確認ください。



訪問日:2022年11月




最後まで見ていただきありがとうございます。
ご感想や、鞆の浦についての思い出、これから出かけられる方に役立つ情報等ございましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。




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