古旅 日本の古い町並み

大和郡山の町並み(奈良県大和郡山市)


2022年11月20日  古い町並み , 奈良県

【町並み感動度】
★★★★★
★★★★★60

町並み保存度
★★★★★
★★★★★50
古い町並みが連続するような場所は少なくなってきていますが、あちらこちらに古い町屋が残っています。特に紺屋町の奥野家(箱本館)や洞泉寺町は見応えがあります。
町並みの規模
★★★★★
★★★★★70
郡山城の東側を中心に城下町の区割りが残された地域が広範囲に広がっています。
観光魅力度
★★★★★
★★★★★60
郡山城から近く、雰囲気のよい町並みで古い商店街や和菓子店カフェなども多く散策を楽しめます。

大和郡山は奈良県では数少ない城下町で、1580年(天正8年)、筒井順慶のよって、「郡山城」が築城されたことにはじまります。江戸時代に入ると「郡山藩」として大和国の政治・経済・文化の中心地として繁栄しました。
現在の「大和郡山市」の名称は1954年(昭和29年)に市制が施行されたとき福島県に「郡山市」との混同を避けるために制定されました。
現在も城下町には「箱本十三町」を中心に、藍染め職人の町であった「紺屋町」、遊郭の名残を残す「洞泉寺町」などに古い町屋が残り当時の面影をみることができます。
近年は金魚の泳ぐ城下町としても有名で、町のあちらこちらで金魚をみることができます。


目次

箱本十三町


箱本とは、豊臣秀長の時代に外堀の内側にある13の町で始まった自治組織のことで江戸時代中期には27町に拡大しました。
それぞれの町が一カ月ごとに交代で「箱本」となり、治安維持や消火、伝馬などの重要な役割を担いました。
各町が平等に町政に参加する住民自治の先駆けとなる制度でもありました。


紺屋町


紺屋町・箱本館
道の中央に水路(紺屋川)が通る郡山独特の風景です。紺屋町は箱本の中心の町の一つで、藍染め職人の町でした。江戸時代には川の両端に染め物屋が並び紺屋川の水を使用していました。

奥野家(箱本館)
奥野家(箱本館)
奥野家は紺屋町で今日まで代々藍染を受け継がれている数少ない町屋です。

箱本館
箱本館は無料で展示を見学できるほか、買い物や藍染体験もできます。

堺町


堺町
豊臣秀長が泉州堺から商人を集めたことから「堺町」と呼ばれています。

堺町
趣のある商店街の所々に古い町屋が残ります。

塩町


塩町
堺町から北に少し歩くと「塩町」に入ります。塩町という地名は各地に多く存在ますが、かつて重要物資であった塩を取引する商人が住んだことに由来するといわれています。

塩町 

本町


本町
城下町が整備される際に最初に作られたこの本町には多くの造り酒屋があったそうです。

中村家住宅(元中村酒造)
本町で最後まで造り酒屋をされていた中村家住宅(元中村酒造)の広大な土蔵が目を引きます。

郡山の火見櫓(本町) 


郡山の火見櫓(本町)
郡山では1680年(延宝8年)に延宝の大火よって670軒あまりの町屋が焼失しました。藩主であった本多忠平はこの大火を教訓とし城下町の防火を進めるため1686年(貞享3年)に堺町、本町、柳五丁目、今井町に4つの火見櫓を建てました。現在はこの本町の1基のみ現存しています。

柳町一丁目


1585年(天正13年)創業の奈良県で最も古い和菓子店だそうです。人気の御城之口餅(おしろのくちもち)はとても美味しかったです。

洞泉寺町


洞泉寺町は郡山の城下町の南東にあり、町名は町内にある洞泉寺に由来します。
当初、洞泉寺町は箱本十三町に含まれていませんでしたが、江戸中期に27町に拡大された際に内町に編入されました。
元和初年(1615年)ごろに水野勝成がこの地に傾城町(けいせいまち)を移したのが遊郭「洞泉寺」の始まりで幕末には6件の遊郭が軒を並べていたようです。
明治から公認遊郭のひとつとして昭和初期にかけて栄え、戦後も特殊料理店という形で経営が続けられていましたが、1958年(昭和33年)の売春防止法の施行とともに廃業しました。


町屋物語館(登録有形文化財)


町屋物語館・川本楼(登録有形文化財)
現存する遊郭の建物の一つで、現在は町屋物語館として無料で公開されています。当時としては珍しい3階建て町屋建築で1922年〜1924年(大正11年〜13年)に建てられました。1958年(昭和33年)に廃業した後は、下宿に業態を変更し客間は賃間として利用されていました。

町屋物語館・川本楼

川本楼3階
川本楼の3階です。遊郭を廃業した後、下宿として使用されていましたので壁に雑誌の切り抜きなどが貼られていたり、建物の歴史が感じられます。

洞泉寺町


洞泉寺町
大正期には17軒が軒を並べていたそうです。現在では町屋物語館(川本楼)の他に数軒の町屋のみが残っています。

郡山城


郡山城天守台
郡山城は、1580年(天正8年)、筒井順慶のよって大和国唯一の城郭として築城が開始され、1585年(天正13年)に入部した豊臣秀長によって本格的に整備されました。詳しくはこちらをご覧ください。

アクセス


町並みの中心にある箱本館「紺屋」へのアクセスは以下のようになります。
詳しくは箱本館「紺屋」のウェブサイトをご覧ください。

【電車でのアクセス】
近鉄郡山駅下車徒歩5分
JR郡山駅下車徒歩10分
【車でのアクセス】
箱本館のとなりに無料駐車場5台(箱本館「紺屋」駐車場)がありますが、道が狭く(道の中央に水路もあります)一方通行も多いので注意が必要です。



訪問日:2022年8月




最後まで見ていただきありがとうございます。
ご感想や、大和郡山や郡山城についての思い出、これから出かけられる方に役立つ情報等ございましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。




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