古旅 日本の古い町並み

吉良川の町並み(高知県室戸市)


2025年2月27日  古い町並み , 重要伝統的建造物群保存地区 , 高知県

【町並み感動度】
★★★★★
★★★★★85

町並み保存度
★★★★★
★★★★★85
この地方特有の白壁や水切り瓦の建物といしぐろなどにより形成された町並みが見事に残されています
町並みの規模
★★★★★
★★★★★90
東西に約750m、南北に約250mの小さい町ではありますが、ほぼ全域に古い町並みが残されています。
観光魅力度
★★★★★
★★★★★80
あまり観光化はされていない静かな町並みをゆっくり散策できます。

吉良川は、古くから木材や薪などの集積地として知られ、これらを京阪神へと出荷してきました。鎌倉時代の「石清水八幡宮文書」の目録にも木材産地として記されています。
明治時代になるとウバメガシを使った備長炭の生産が始まり、大正時代には製炭技術の発展により日本を代表する良質な備長炭を生産するようになり「吉良川炭」と呼ばれました。
吉良川炭は主に京阪神へ海路で出荷され、これらを扱う商家や廻船問屋が隆盛を誇り、その繁栄を背景に吉良川の町並みが形成されました。
現在もその町並みは程度良く保たれており、その面影を残しています。1997年(平成9年)には重要伝統的建造物群に選定されました。


目次

吉良川の町並み


土佐漆喰と水切り瓦の町並み


土佐漆喰に水切り瓦が付いた建物
土佐漆喰に水切り瓦が付いた建物
吉良川の民家の壁面には、土佐漆喰が多く使われています。土佐漆喰の壁は最初はクリーム色ですが、時間とともにツヤが出て、鏡のように光ります。

水切り瓦が付いた建物
水切り瓦が付いた建物
水切り瓦とは、漆喰の壁面に水平に突き出した2〜5段の瓦の庇(ひさし)のことです。これにより、上から流れてくる雨水が直接地面に落ちるようになり、漆喰の白壁を保護する役割を果たしています。

吉良川町の町並み(高知県室戸市)
瓦の葺き方にもこの地方の特徴があります。台風の際、風は通常東から吹くので、瓦同士の重なりを西側(風下)に持ってくることにより、雨水の侵入を防いでいます。

細木隆昌家住宅(呉服業)
細木隆昌家住宅(呉服業)
1891年(明治24年)に建てられた住宅です。初代の当主は呉服業を営んでいました。主屋はつし二階建てで、道に面した2室は「ミセ(店)」と呼ばれています。

細木和家住宅(炭問屋)・写真左
細木和家住宅(炭問屋)・写真左
細木家は炭問屋を営んできた家で、この主屋は1906年(明治39年)に建てられたものです。伝統的な「田の字型」の間取りになっています。現在も備長炭を扱う商家として営業しています。

いしぐろのある町並み


濱田家住宅(いしぐろの塀がある家)
濱田家住宅(いしぐろの塀がある家)
いしぐろの塀が美しいこちらの建物には半割にした石が使用されています。石の割り口を外側に向け、赤土と漆喰を練り合わせたハンダという接着材を使用して積み上げられています。

このように大きな石が積まれた家もあります。吉良川町で見られるいしぐろの石は浜石や河原石がほとんどですが、丸石がそのまま積まれたものや、半割りにしたものなど、積み方は家によってそれぞれ異なります。

アクセス


【電車でのアクセス】
土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「奈半利駅」から、高知東部交通バス甲浦行きで約21分、バス停「吉良川学校通」下車、すぐ。
【車でのアクセス】
下の地図の場所に無料駐車場(吉良川まちなみ駐車場 第一)があります。



訪問日:2025年1月




最後まで見ていただきありがとうございます。
ご感想や、吉良川の町並みについての思い出、これから出かけられる方に役立つ情報等ございましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。


コメント
裕人 2025/03/05 10:31
2020年に吉良川町へ行きました。懐かしいです。雰囲気が残っているところは、少ないですが、水切り瓦の庇や浜田家の塀などは印象的でした。

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なおきち(古旅管理人)
2025/03/06 12:50
WEB
コメントありがとうございます。
吉良川の建築やいしぐろの塀はいいですね。高知県は独自の文化があって個人的に大好きなところです。
今後もよろしくお願いします。



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