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古い町並み
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平戸の町並み(長崎県平戸市)
平戸の町並み(長崎県平戸市)

町並み保存度
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古くから残っている建造物は少ないですが、様々な遺構が残されており往時の姿に思いを馳せることができます。
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町並みの規模
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オランダ商館のある海沿いの地域から寺院や教会が建ち並ぶ高台の地域、そして平戸城と、一つの町の中に様々な表情があります。
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観光魅力度
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異文化と日本文化が混ざり合った港町の町並みは平戸ならではのもので一見の価値があります。
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平戸港
長崎県北部にある平戸島は古くから遣隋使・遣唐使の寄港地として利用されるなど海外との交流において重要な拠点でした。
1550年(天文19年)にポルトガル船が来航してからは平戸港は南蛮貿易のための港として機能するようになりました。
この時にやってきたフランシスコ・ザビエルをはじめとするイエズス会宣教師によってキリスト教(カトリック)が布教されましたが、後にキリスト教弾圧の舞台にもなりました。
ポルトガル船は1561年(永禄4年)に貿易拠点を横瀬浦に移しますが、1584年(天正12年)にはイスパニア、その後オランダやイギリスの船も来航するなど、西洋諸国との交流により発展していきました。
しかし鎖国政策が進むにつれイギリス商館が閉鎖しオランダ商館も出島に移転するなどして平戸港における南蛮貿易は終わりました。
南蛮貿易終了後の平戸は平戸藩の城下町として栄えました。このような歴史をもつ平戸では海外と日本の文化が混ざり合った独特の雰囲気をもつ町並みを楽しむことができます。
寺院と教会の見える風景

「寺院と教会の見える風景」で知られるこの一帯には、下から瑞雲寺、光明寺、正宗寺等の寺院が建ち並んでいます。これらの寺院の後ろに聖フランシスコ・ザビエル教会の聖堂が見える景色は平戸ならではです。
瑞雲寺

瑞雲寺
13世紀頃の創建で、かつては松浦氏の菩提寺であったとされる由緒あるお寺です。
光明寺

光明寺 山門
光明寺は17世紀初頭から現在の場所に境内を構えています。数度の建物の変遷を経ていますが、19世紀中頃に建てられた本堂・経堂・鐘堂・山門などが今日まで残されています。
光明寺 本堂
現在の本堂は19世紀中ごろに建てられました。
丘に建つ光明寺からは平戸港が見えます。
聖フランシスコ・ザビエル教会

聖フランシスコ・ザビエル記念像
フランシスコ・ザビエルは同志とともにイエズス会とよばれる修道会を創立し、インド各地での伝道の後、1549年にまず鹿児島に上陸し、翌年には平戸に上陸し日本に初めてキリスト教とヨーロッパ文化を伝えました。この記念像は1971年に建立され、教会も聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂と改名されました。
平戸の町並み

オランダ塀

石段に沿って続く漆喰の塀は通称オランダ塀と呼ばれています。1609年から1641年までの間、この塀の東側にオランダ商館が置かれていて商館を外から覗かれないために、また延焼などから守るためにこの塀が設けられました。
塀の高さは約2m、底辺の幅は約70cmあります。商館当時の様子を今に残す数少ない遺構のひとつです。
平戸オランダ商館

平戸オランダ商館
1609年(慶長14年)、オランダとの正式国交が開けた時に東アジアの貿易拠点として平戸に商館が設置され、1641年に長崎の出島へ移転するまで使用されていました。現在の建物は2011年に復元されたものです。
常燈の鼻
オランダ商館跡の北東の海岸に常橙の鼻と呼ばれる石積みの高台があります。1616年(元和2年)オランダ商館の大増築の際に防波堤もかねて築造されたもので、ここにはオランダ国旗が掲げられていましたが、商館が長崎の出島へ移転した後は、この場所に1643年(寛永20年)に常夜燈が設置され平戸瀬戸の灯台として使用されました。
オランダ埠頭

東インド会社所有の有帆船の荷卸しと積み込みを行っていた場所です。埠頭の築造年代は明らかではありませんが商館移転の際にも破壊を免れ現在まで残されています。
幸橋(別名:オランダ橋)

当初ここには1669年に造られた木橋がありましたが、1702年(元禄15年)に現在の石橋に掛け替えられました。オランダ商館が築造した石像倉庫の技法によって造られたとことから「オランダ橋」とも呼ばれています。
オランダ船錨
幸橋(別名:オランダ橋)の近くに保存されていること大きな錨は1952年(昭和27年)に川内港から引き上げられたものです。となりの小型の錨は1956年(昭和31年)に平戸瀬戸で引きあげられました。写真左の方柱状の石材は中国船の碇石で、平戸最南端の宮の浦港から引きあげられました。
オランダ商館通りの町並み

港沿い道から山側に一本入った筋は「オランダ商館通り」と呼ばれレトロな土産物店や飲食店が軒を連ねています。
珍しい木造三階建ての建物もあり、とてもよい雰囲気です。
平戸城

平戸藩初代藩主となる松浦鎮信によって1599年(慶長4年)から建設が開始された平戸城ですが、完成間近に焼失し長く再建されずにいました。ようやく5代藩主の松浦棟によって着工され1707年(宝永4年)にほぼ完成しました。現在は模擬天守が建てられ資料館となっています。城からは平戸の町が一望できます。
【入館料】大人510円、高校生300円、小・中学生200円
【開館時間】8時30分〜17時30分
【駐車場】無料
詳しくは
平戸城のウェブページでご確認ください。
アクセス

【車でのアクセス】
下の地図の場所に平戸港交流広場駐車場(有料)があります。駐車場からオランダ商館跡までは徒歩約6分です。
平戸交流広場駐車場 料金:入庫後2時間無料、30分100円
詳しくは平戸オランダ商館のウェブサイトでご確認ください。
訪問日:2022年12月
最後まで見ていただきありがとうございます。
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